闇ノ花
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外は真っ暗で、雪が舞っていた。
さくさくと、一歩踏みしめる度に足音が鳴る。
明かりはどこにもついていない。
人も誰もいない。
寒くて暗いからなのかな……。
だけど私は、さっきから後ろに気配を感じていたから、ため息をついて立ち止まった。
「誰ですか。さっきからついて来ているのは」
そんな風に、後ろの誰かに聞きながら、苦無を握りしめる。
「よく分かりましたね、流石です。……ですが何を企んでいるんですか?芳乃さん」
「……」
唇を引き結んだ。
顔を布でしっかりと覆っている事を確かめ、振り返る。