闇ノ花
「局中法度二つ目、“局ヲ脱スルヲ不許”」
「……」
「もしも、何日もいなくなれば……貴女、脱走と見なして切腹でしたよ?」
「……いえ、戻る予定でしたので」
「それなら何故、外に出たんですか。やっぱり、嘘だったんですか?未来から来た、というのは」
軽く相手を睨みつける。
ほら、信じていない人が一人いた。
絶対いると思ってた。
「貴方に言う必要はありません、沖田さん。ですが、未来から来た事は本当です」
「……そうですか」
「別に、信じなくてもいいです」
そう挑戦的に言うと、沖田さんは少し笑みを浮かべた。