一生もんの道化師
紅茶を口にしつつ、さりげなく彼を観察する。


んふ。

やっぱカッコいいよな~、高藤さんって。

あの切れ長の目が素敵。

鼻筋はシュッと通ってるし、唇はやや薄め。


典型的なあっさりしょうゆ顔で、私にとってはドストライクのルックスだった。


ただ、他の人にはイマイチその魅力が伝わっていないようで…。


世間一般で言われているような「イケメン」とは確かに違うけどさ。


27才とは思えないくらいの、下手すりゃ御隠居さんレベルの落ち着いた雰囲気を醸し出している人で、流行りのものには全く興味がなさそう。


『数ヶ月前まで坊主だったけど引退して髪を伸ばしている元野球部』ってくらいの短髪で、色は真っ黒。

スーツも若者に主流の細身のタイプじゃなくて、普通のシルエットでお父さん世代が着てるような「ザ·背広」って感じのものだし。


でも、背が高いから上手に着こなしてると思うんだけどな。


正確には分からないけど、180センチ近くはあるはず。
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