一生もんの道化師

そしてそれらの準備は各自で行うこと、となっているので、上司の休憩に合わせて自分の仕事を中断してお茶淹れ、なんて事はしなくて良い。


私達オフィス･レディにとってはとてもありがたいシステム。


自分のタイミングとはいっても、内勤の女性の場合は大体皆１０時と１５時に同時に仕事の手を休めるのが暗黙の了解になってたりするんだけどね。


ただ、昨日はキリの良い所まで終わらせてからお茶したかったので、私は皆より少し遅れて休憩を取ることとなった。


それがちょうど、課長と高藤さんの息抜きタイムと重なったようだった。


「そうか。じゃあ、社に戻るのは１８時過ぎになるかな」

「そうですね。それから急いで見積書作成しますので。翌日、朝一には課長に確認していただけると思います」


休憩というよりは、コーヒーブレイクを兼ねてのミーティング、という感じの会話だったけど。


「ん？残業して終わらせるってことか？」

「はい」

「そんな一日でやっつけようとしなくても良いんだぞ？最終納期にはまだまだ間があるんだし。ペース配分を考えて、休める時に休んでおくのも仕事のうちなんだからな」