聖夜に降る奇跡


そんな日々の中で、たまに彼女がする家庭の話。

彼女は旦那さんのことを“彼”と言う。

僕はその“彼”とゆう単語が出る度、モヤモヤした感覚と無性に苛立ちを覚えた。

そして

『もっと早く彼女と出会えていたら……』

そんな想像が膨らんでいく。

それは、顔も名前も知らない彼女の旦那さんへの嫉妬だった。

同時に、気付いてしまった自分の心。


選ぶ道は一つしかない。

今なら、簡単に引き返せるんだ。


そうは言っても、彼女からメッセージが届くたび、僕の胸は高鳴り、それは止むことを知らない。

そんな時、彼女から、携帯電話をガラケーからスマホに機種変したとメッセージが届いた。

そして、
“lineができるようになったよ”と、書かれていた。

以前からlineの話をしていた僕達。
だから、その言葉に、僕は彼女が僕とのlineを期待していると解釈した。


“メイさんとlineはしたいし、話したいことも沢山あるけど、でも、もう止められなくなってしまいそうで。
只でさえメイさんとのやり取りにドキドキしているのに、これ以上……会えないのに、手が届かないのに……だから……”

そう返信をすると、彼女にしては珍しく、日にちを置いて返信がきた。

その中には、僕とlineをしたいとか、そんなつもりじゃなかった。誤解をさせてごめんなさい…の謝罪の言葉と、最後には

“私を勘違いさせるようなことは言わないで”と、加えられていた。

僕は、改めて自分が彼女に送ってしまったメッセージの重大さに気が付いた。

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