White X'mas
なにしろ、私が買う服は、全てが黒。
下着からコート、靴に至るまで、ほとんどが黒一色なのだから、私のクローゼットはさぞや陰気なことだろう。
黒ばかり着る私を、カラスみたいだ、と母は言う。
私には色が見えないのだから仕方ない、と、わかってくれてはいるみたいだけれど。
『ジョイが白い犬で良かったわ』
母はよく、私に言う。
『ジョイまで黒かったら、犬連れの死神かバンパイアみたいよ。危なくて夜道なんか歩かせられないわ』
そう言われてしまうと、私もジョイが白くて良かったと言わざるを得ない。
このコと歩く大事な時間を、毛の色なんかで奪われては困るのだから。
ピピッと家を出る時間を知らせるアラームを止め、私はハーネスを手にジョイを呼ぶ。
「ジョイ」
言葉にしなくても、出かけることを察したジョイは、甘えるように体をすりよせ、ハーネスに首を通す。
『大丈夫。僕が一緒にいるよ』
そう言うように。