最低男との結婚
「外に出たいんだけど」

「出れば?」

「じゃあ、どいて」

「どけねぇけど」

「は・・・?」

「俺さぁ、今日休みなんだよね」

「何が?」

「仕事」


仕事してたんだ・・・

って、そんな場合じゃなくて・・


「だから・・?」

「んでもって、俺
すっげぇ・・・眠い」


全然、会話になってないし・・・


「中入って、眠れば・・・?」


「あぁ、寝るけど・・・」


そう言いながら
私を押すように中に入り

押された私は

なぜだか、この女の匂いがしみついた男の腕に
肩を組まれるように
引っ張れて寝室へと連れて行かれているという状況・・・


そして、私が持っていたカバンは
床に投げられ、


「ちょっ・・!?」


「寝るぞ」


「は?私、学校・・・」


「んなもん行かんでいい。」

そう言うと
私を掴み、そのまま
布団の中へ引きずり入れると、


抱き枕のように抱かれ

ものの数秒で、寝息が聞こえ始めた。

な、何なんだ、

この男は一体・・・。






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