最低男との結婚
「あぁ、着替えるから
待っとけって」


「寒いから入ってもいいー?」



電話だけじゃなくて・・・


家にまで連れてくるなんて
思いもしなくて・・・


ショックが大きすぎて


私・・・今どんな顔してるんだろう。


もう、表情の作り方も分からない。


ただ、机の一点を見つめ

早く、この時間が過ぎ去ればいい

そう願うのに・・・。



「ったく・・うるせぇ・・」


そう呟きながら、


「玄関閉めて入ってこいよ」


その言葉が、

私の頭の中を駆け巡りながら

とっさに

イスから立ち上がり

この場から逃げようとするけれど・・


「あー、寒かったぁ・・・
おじゃ・・・ま・・って・・・
大輔、一人暮らしじゃ・・?」


逃げ場なんてなく・・・

見たくもない女と目が合い

ただ、立ち尽くすしかない。


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