冷徹ドクターに甘やかされてます
「灯、陸ならあそこだ」
「?あ…本当だ」
「用があるなら呼ぶか?」
「ううん、呼ぶほど大事な用でもないんだけど…」
そう灯がもじもじと差し出したのは、折り紙で作った小さな指輪。
金色と赤色の紙で作られたそれを手に取っては、よくもまぁこんなに器用に作れるものだと感心してしまう
「すごいな、灯が作ったのか?」
「うん…けど自分であげるの恥ずかしくて。先生、代わりに渡しておいてもらってもいい?」
「いいけど…」
(灯本人からあげた方が喜びそうな気もするけど…)
それでも一応年頃というものなのだろう、恥ずかしそうに頬を染める灯が微笑ましく、俺はわかったとそれを受け取り白衣のポケットへとしまった。