【短編】イブの夜に抱きしめて
 午後の販売部の会議を終えてオフィスに戻る。夕刻、日が暮れるのも早い。冬至を過ぎたばかり、当たり前。ブラインドを下げているとドアが開く音がした。


「お帰りなさい、鈴木課長」
「ああ。済まない山田、これを」
「はい。……え?」


 手渡された資料は僅か2ページ、こんなのものの10分だし、内容からして今週中でも良さそうなのに。


「課長?」
「あ、いや。得意先に今日中に試算してくれと言われて。頼めるか?」
「はい……すぐやりますね」


 何となく腑に落ちない。でも得意先からの指示だし課長からの指示だし。自席に戻って打ち込む。数回見直しして課長のパソコンに送った。

すれば、課長からの返信メール。





“山田、ありがとう。礼に飯、どうだ?”


「あ、ありがとうございます……」


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