センチメンタル・シュガー
「…澪、大丈夫か?」
「へ?何が?」
「唇、青くなってきてる。寒いか?」
「あ…うん、さすがにスカートは寒いかも。ホッカイロくらい貼ってくればよかったー」
気付けば夜となっていた街は、一層寒さを増す。
あまりにも寒そうな顔をしていたのか、心配する徳井さんは不意に私の手を取り触れた
「うわ、お前手冷たすぎ」
「うん、元々冷え性だから。足の爪先もすごい冷えてる」
包むようにして温めてくれるその手は、骨っぽい大和の手とは違う大きくてがっちりとした手。
冷え切った手にその体温は小さく溶ける
「……」
「…徳井さん?」
「…あのさ、澪」
手を握ったまま、彼は何かを言おうとまっすぐにこちらを見た
すると、その時
『……』
「!」
「!?」
私たちの目の前にぬっと現れたのは、先程のトナカイ。