夏色の約束。~きみと生きた日々~


「うぅ……っ、っく…あ、おちゃ……っ」


ついさっきまで、ふたりで笑ってたのに。


幸せな時間を、ふたりで過ごしていたのに。


「……なん、でなの……っ」


幸せな時間は、あっという間に終わりを告げた。


なつの頭の中に、大好きな大好きなあおちゃんの笑顔が思い浮かぶ。


『すっごく楽しいね!』

『なつも、あおちゃんがいるからすごく楽しい!』


もう二度と、君とこんな風に笑いあうこともできないのかな。


『なっちゃん』


そう言って名前を呼ばれることも、君の眩しい笑顔をそばで見つめることも。


もう、二度とない瞬間なのかな。


今までのあおちゃんとの日々を思い出せば、その日々があまりにも温かすぎて、幸せすぎて、愛しすぎて。


またひとつ、涙が頬を伝った。


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