ド天然!?魔女っ子の秘密
「何で勝手に俺の傍から離れんだよ!」


何でそんなこと言うの?

翔太は楓花さんと一緒にいたかったんでしょ?


「…別にいいでしょ?」

それに、あたしがどこに行こうと、それはあたしの自由。

翔太には一切関係ない。


「お前な…俺がどれだけ心配したと思ってんだ!突然いなくなって…また迷子になったかと思って探したんだぞ!?」


何で?

何で翔太があたしのことを探すの?

…あぁ、同じSC4だからか。

クラスメイトだからか。

あー、納得。


「いい加減、馬鹿にしないでくれる?
毎日通っている場所なんだからそうそう迷子になんてならないから」


自分でもびっくりするくらい冷淡な声が出た。


…冷たすぎるかな?

嫌われちゃったかな?


そう思うと、胸が苦しくなる。泣き叫びたいほどに。

でも、これで嫌われたっていいよね?


翔太には、楓花さんていう美人の彼女がいる。

だから、あたしみたいなブスなんて好きになってはもらえるはずなんてない…


そうだよ。

あんなかっこよくて優しい、王子様みたいな人に、好きになってもらえるなんて夢のまた夢の話。

だって王子様と恋をするのは、昔からお姫様だって決まってるでしょう?

王子に恋した庶民の娘は、辛い思いを背負って生きるのが通り。

そうだよね。
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