ド天然!?魔女っ子の秘密
美玲は心配そうな顔をしたままだ。

「翔太と何かあったんでしょ?」

「…何も…」

「何もないわけがないでしょ。由良の様子が明らかにおかしいんだもの」

あたしは何も言えなくなる。

美玲にはお見通しってことだね。


「別に無理には聞かないけど。でも言ったら多少はスッキリすると思う」

少なくともあたしは。と美玲は優しい口調で言った。



言ってしまおうか?

いや、でも……

きっと情報通の美玲なら、翔太の彼女の楓花さんのことだって知ってるはず。

だけど。

知りたいけど、あたしは知ってどうするつもりなんだろう?

何をしようっていうの?

あんなにも仲が良い二人の間に割って入って、翔太を奪うつもり?


そんなこと出来ないし、出来るはずもない。



それに…

美玲に言われたら立ち直れない気がするんだ。


"翔太の彼女は楓花さんだよ"


って言われたら、あたし、心が砕けてしまいそう。

いつの間に、こんなにも心が弱くなってしまったのだろう?

つい数ヶ月前までは、一人きりでも平気だったのに…


翔太がなんだか遠くに感じて…それが怖くて、聞けないんだ。


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