ド天然!?魔女っ子の秘密
今あたしが感じている恐怖は、あの時––––大事な親友を失ったあの時––––に匹敵するものだった。


たかが真実を聞くというだけで、一体どれだけ怖がっているんだ、と自分でも呆れて笑ってしまう。

あたしが幼い頃から今まであんなに沢山の魔物と闘い、退治してきたというのに。

あんなに辛く苦しい修行にも耐えてきたというのに。


翔太のことになると、あたしは無力だ。


それくらい、好きなのかもしれない、いや、好きだよ。

大好きなんだ、自分でも怖いほどに。

楓花さんという美しい彼女がいることを知っていても、それでも、嫌いにはなれないよ。



翔太は、あたしに"光"をくれたんだもん。

いつもいつも、あたしを導いて、優しく接してくれるの。



そりゃ、翔太はいつも、仏頂面で無口で無愛想で毒舌で、女の子、特にあたしに対してかなり酷い。

すぐ「バカ」などと暴言を吐くし、「どうしたの?」と聞いても「何でもない」と教えてくれないことだって日常茶飯事だ。



でも、


だけど、本当は誰よりも優しいんだ。


あたしに何かあった時は、誰よりも早く気づいて、あたしが安定するまでずっと傍にいてくれる。

怪我をしたら、過保護なほど心配して、魔法ですぐに治療してくれて、その後たっぷり説教する。


そして何より、ありのままのあたしを受けとめてくれる。


あたしが持つ強大な魔力も、

"ガーネット"で魔物退治の仕事をしていることも、

全て知っても、それでも普通の人と何一つ変わらずに接してくれる。


始めて出会った。


あたしのことを知ってもなお差別しないで、ちゃんと向き合ってくれる人に。

あたしの仕事も魔力も全部取り払って、ただの"神崎由良"という人間として扱ってくれる人に。


だから簡単に嫌いになんてなれないんだ。
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