ド天然!?魔女っ子の秘密
ピピピピピ、とアラームが鳴る。

時計をみると、約束の時間だった。


約束って、"ガーネット"の隊員達の追加の修行のことなんだけどね。

その修行を毎日することになっちゃったんだよね…

もちろん、お父様の命令で。


まぁ、"サファイア"との戦いまでの時間は少ないということもあるんだけどね。


行かないと、だね…

お父様に怒られるのはもう嫌。

それに、あたしを待っててくれる隊員達が大勢いる。

今日は第一小隊も一緒だから、更に人数が増えて楽しくなるだろうな。



さ!

落ち込むのはこの辺にしておかなくちゃ。


気持ち切り替えて、明るくいくよ!

何てったって今日は沢山の隊員達と会えるんだからね!


自室の奥のウォークイン・クローゼットにある、全身が映るほどの大きさの鏡の前に立ってみた。


「…はぁ」

鏡に映る自分を見るけど、溜息しか出てこない。

…やっぱり、到底楓花さんには及ばないや。

あたしの容姿は美男美女の両親のDNAを受け継いでおらず、平凡だと昔から分かっていたから、それ程ショックではなかったけれどね。

でも、少しだけでいいから、翔太に、可愛いと思ってほしいなって思ってしまうのは、欲張りかな?

暗くなりかけた心を明るくするため、鏡の前でニコッと口角をあげて笑ってみる。


笑顔は自然だったので、少しホッとした。


これなら"ガーネット"に行っても大丈夫だね。皆に心配かけなくて済む。ホント、隊員のみんなはあたしに過保護だからね…

それを思うと自然と笑みがこぼれる。

「"モーメント・ムーブ"」

口元に笑みを浮かべたまま、移動した。
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