ド天然!?魔女っ子の秘密
店に戻ると、お客様はまだいらっしゃらなかった。

物静かで少し薄暗く、どこか落ち着く狭い店内には所狭しと品物が並んでいる。

ここは世界一の魔法屋。置いていない商品なんてないんだから!


――――――カランコロン

「こんにちは」


軽やかな鈴の音と共にお客様がご来店。


「こんにちは、いらっしゃいませ」

ただ、出入り口の方は暗いため、お客様の顔が分からない。

でも、初めてご来店された方のような気がする。


「何かご入り用ですか?」

あたしは暗がりにいるお客様に話しかけるが、予想外の答えが返ってきた。


「いえ…今日は貴方にお会いしたくて」

「え?あたし、ですか…?」

コツコツ、とお客様の足音が近づくにつれ、闇に隠れていたその姿も分かるようになってきた。


「はい」

わ…


思わず言葉が詰まった。


爽やかな声に、端正なお顔立ち。

ニコっと爽やかな笑顔は老若男女問わず虜にするであろう。

おまけに長身で、もちろんスタイルがとても良く、必然的に足も長い。

若い方だろうに、スーツをビシっと着こなしている。


今まで会った人の中で、一番カッコイイかも…


って!

何考えてるの、あたし!

仕事中でしょ!?

しっかりしなきゃ!
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