蜜恋ア・ラ・モード

突撃だの決着だの、いまから私は洸太に何を挑みに行くんだろうか。

でも薫さんの言うとおりかもしれない。善は急げともいうし。

それにやっぱり、洸太に会いたい。迷惑かもしれないけれど、気持ちをちゃんと伝えたい。

もう遅いかもしれないけれど……。


「薫さん、私頑張ってみる」

「それでこそ都子さんだ。はい、到着」


薫さんの言葉に顔を前に向けると、少し先に洸太の会社が見えた。


「僕が手助けできるのはここまで。ここからは、都子さんひとりで頑張るんだ」

「薫さん、今日は本当にありがとう。薫さんには感謝の気持ちでいっぱい」

「大切な都子さんのためだからね。あ、そうそう。料理教室はこれからも続けたいとおもっているんだけど、いいかな?」

「はい、薫さんさえ良ければ」

「良かった。料理、すごく楽しくなってきたんだ。これからの時代は、男も料理くらいできないとモテないからね」


そう言って茶目っ気な笑顔を見せると、私を車から下ろしその場から走り去った。

薫さんの車が見えなくなるまで見送ると、ため息ひとつ。

頑張るとは言ったけれど、どうすればいいものか。何の考えも浮かんでこない。

いきなり『久しぶり!!』なんて顔出したら、洸太ビックリするよね?

何しに来たんだって、追い返されちゃったりして。それとも無視されちゃうとか。

ひとりになるとネガティブな考えが頭の中を駆けまわり、どんどん自信がなくなってきてしまう。

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