5年目のクリスマス
どうして、と視線を上げると、目の前にはブルーのネクタイがあった。
鮮やかなブルーに、イエローの模様が入っている見覚えのあるネクタイ。
私が先輩にプレゼントして突き返されたものと同じだ。
どうしてこのネクタイを先輩が身に着けているんだろう。
「ブルーのネクタイ……どうして?」
思わず呟いた私に、先輩は気まずそうな顔で、小さく息を吐いた。
「自分で買ったんだよ。志奈子が用意してくれたものと同じネクタイを探して買ったんだ」
「どうして?だって、俺には似合わないって言って……」
「あー、あれ、嘘。俺にブルーはよく似合うよな。志奈子がせっかく選んでくれたネクタイなのに、あの時むかついてたんだよ」
「むかついて?」
「ああ。好きな男から振られてなげやりな気持ちで俺にくれたって誤解してた」
「どういうこと?」
再び大声を上げた私は、ロビーにいる人たちから怪訝そうな視線を浴び、何度か頭を下げた。