5年目のクリスマス

「うわー。すごく気の長い計画」

「だろ?俺の志奈子への気持ちは昨日今日のものじゃないって言った意味、わかったか?
志奈子が偶然にもうちの会社の採用試験を受けることになって、志奈子のお父さんが『惚れさせてみろ』って宣戦布告してきたんだ。志奈子は実力で内定を掴んで、そして俺は志奈子を部下にした。配属は仕組まれてたってこと」

「な、なんて私を無視した計画」

呆れた声をあげた私に、満足げに笑って頷いた先輩。

「もう、我慢できないんだけど」

そう言うが早いか、気付けば私の側にやってきて、私を抱きしめた。

背後から抱きしめられた私は、先輩の足の間にちょこんと座り、今起きていることを理解しようと溶けそうな脳内を再びフル回転。

「じゃあ、去年どうして私があげたネクタイを突っ返したの?」

ずっと気になっていた事を聞いた。

私を長い間好きだったと言われてもちろん嬉しいけれど、それならどうしてあんなに冷たい言葉で拒んだんだろう。

かなり落ちこんで、それがきっかけで会社を辞めたいとまで思いつめたのに。


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