さよなら魔法使い
「待ってた。」

何よりもジベルに会える日を心から待ち望んでいた。

確かな言葉を貰わなくても、確かな気持ちを伝えなくてもお互いに分かっていた心の心の距離がある。

きっとそれはあの時よりも確実に深みを持って近付いているのだ。

触れ合う肌がそれを感じさせる、今もここに思いはあるのだと教えてくれる。

「ジベル。」

また会いに来てなんて怖くて言えなかったあの時、一緒に連れていってと踏み出す勇気もなかった。

でも今ならどこへだって行ける。

「私も一緒に連れていって。」

また彼を見送ったらもう二度と会えなくなるだろう、それだけは考えられなかった。

リースの言葉に微笑むとジベルは目を細めて彼女の頭をぐりぐりと撫でる。

「生意気なガキが随分と素直になったもんだ。」

「一言余計よ!」

雑な扱いに彼の手を振り払いリースは睨み付けた。

それでもどこか表情は柔らかく2人を包む空気は甘く優しいままだ。

ジベルは穏やかな空気を抑えて真剣な眼差しをリースに向ける。

「迎えに来た。俺の所に来るか、リース?」

彼女の頬に優しく触れた手は微かに震えていた。

リースはこれ以上にない笑みを浮かべ静かに一筋の涙を流す。


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