それは気持ち次第
「私には小野田君の言葉の意味が理解出来ないのですが」

私が首を傾げて言うと、小野田君は先程よりも顔を真っ赤にし、目を泳がせた。そして暫く。

……多分、二分は待った。

その末、小野田君は私の目を真っ直ぐに見てきた。

今まで目にしたことなんてない表情をする小野田君が次第に可愛く思えてきた。おどおどしているというか、挙動不審というか。とてもではないが「ロボ」という渾名は似合わない。

「あの、こういうのって、気持ち次第なんだって思いました」

「うん。だから、何が言いたいのかな?」

「今まで誰かとクリスマスを過ごしたいなんて思ったこともないし、プレゼントを貰っても嬉しいと思ったこともありませんでした」

「うん。それは知ってる」

「だけど、このまま先輩とご飯食べに行きたいし、プレゼントも嬉しいと思いました」

「うん。その結論を言おうか、そろそろ」

大きなツリーの前で二人して立ち止まっているのは私達くらいなもので、後は待ち合わせをしている人だけ。

「僕、先輩のこと、好きなんです」

そう言われると全て合点がいくというか、腑に落ちるというか。

どんなに仕事をしていても私が絡めば必ず返してくれるし、小さな表情も見せてくれる。そして、何やら顔を真っ赤に染めているし。

「あ……うん、え?彼女は?クリスマス事件で別れた」

「え、クリスマス事件?ああ、何年前の話をしてるんですか?」

そうか。あの話は今年のことじゃなかったのか。どうやら勘違いをしていたらしい。



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