それは気持ち次第
小野田君は無表情のまま止まっている。

私には彼を納得させられるだけの言葉はない。だって、そんなのはもう、人それぞれなのだから。

どうしたって、理解出来ないものは出来ないのだが、何故か小野田君はそれを悔しがっているようだ。

とはいえ、どうにもならない。

「よし、わかった」

私は勝手に色々と考えて自己完結をした。

「何がですか?」

小野田君はゆっくりと瞬きをしてから訊いてきた。

「うん、わかった。よし、仕事に戻ろうか」

私は一人で頷きながら小野田君の肩をぽんぽんと叩いた。成人男性にしては少しばかり細い肩は、背広の上からでも鎖骨の位置がよくわかった。






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