甘い恋の始め方
「おまたせ」

「そんなに待ってないわよ」

「いらっしゃい。理子さん。加奈さん」

オーナー自らカウンターを出て注文を取りに来る。

長身で彫りが深いオーナーはクオーター。瞳の色素が薄く、茶色い。

その瞳で見つめられ、言葉をかけられると恋愛感情はなくても心臓がドキッとなる。

「こんばんは~」

加奈はにっこり笑ってオーナーに挨拶する。

「おや、ご機嫌ですね」

「今まで会社の人たちと飲んでいたんです」

理子はイスに腰を下ろしながら説明する。

理子と加奈が注文を済ませると、オーナーが颯爽とした足取りで去っていく。

「理子、あの後どうだった? 彼に会わなかった?」

オーナーが去って、いきなりあずさは悠也の話を持ち出した。

「彼って、副社長のこと?」

理子の代わりに加奈が身を乗り出して瞳を輝かせる。

「副社長? もしかしてもう親しくなったの?」

加奈の楽しそうな顔から推測したあずさはキョトンと瞬きをする。

「親しくなったって、そりゃね~ 大人は進展が早いわよ~」

またもや理子の代わりに加奈が口を出す。

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