甘い恋の始め方
「ゆ、悠也、怒っていないの?」

「多少は腹をたてていますが、それよりもまだ生きられることが素晴らしいじゃないですか。それにその嘘のおかげで彼女に会えたんです。怒るよりもすべてに感謝したいくらいです」

「ありがとう。悠也。無理強いをしたのではないかと後悔していたの。理子さんはあなたを愛していると言っていたけれど、あなたはそんなに早く人を愛する人じゃないわ。私の嘘があなたや理子さんを傷つけていたら……と、罪悪感にさいなまれていたの」

すっかり話せて心から安堵している様子。

「理子さんは私の嘘を知っているわ。でも、私から話すから言わないようにお願いしたのよ。すてきなお嬢さんを傷つけないでね。私の望みはあなたたちが幸せに結婚してくれることなの。すばらしいご縁にめぐり合わせたのだから」

「なぜ素晴らしい縁だと?」

悠也は康子の言葉が腑に落ちない。

「まだ気づかないの? あなたを愛してくれているのよ? 私は愛し合う幸せなカップルをたくさん見てきたわ。彼女は心からあなたを愛してくれている。結婚したらあなたを第一に考えてくれる妻になるでしょう」

(一度しか会っていないのに、そこまで彼女を気に入ってくれているとは……)

「だから、悠也、あなたも彼女を愛するように努力して。結婚生活がうまくいく秘訣よ。と言っても結婚したことがない私が言うのはおかしいけれど」

彼女を愛するように努力して……その言葉が悠也の胸をざわめかせる。

俺は……。


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