甘い恋の始め方
「……特別な日……って?」

ここまでステキなディナーを用意してくれて、悪いことを言われるようには思えないが、それでも理子は怖くて緊張していた。

「君の誕生日と……もう一度プロポーズするために」

聞いた瞬間、緊張していた糸が緩み、理子は足元に崩れそうになった。

「座って」

悠也はテーブルのイスを動かすと理子を座らせると、すっと片方の膝を床につけひざまずく。

真剣なまなざしで見つめる悠也に心臓が暴れはじめ、身体中の血が熱くなる気がした。

まるで自分がお姫様になったかのよう。

「良く考えてほしいと言ったね? 俺の気持ちは変わらない。小石川理子さん、結婚してください」

(気持ちは変わらない……それだけじゃダメなの……)

私だけが愛しているだけの結婚生活は耐えられないと言おうと思った。

「……ごめんなさい。私は――」

「理子、愛しているんだ。悩ませてしまって申し訳なかった。俺は君と別れたくない。君を全身全霊で愛しているから」

「私を愛している……? それは……本当?」

悠也は両手を膝の上に組んで置いている理子の手を包み込む。

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