いとしいあなたに幸福を
「あの兄妹の証言を元に、今にお前にも追求の矢が飛んで来るぞ?だから、なあ…っ?俺を匿ってくれさえすりゃ俺もお前を助けるための手立てを用意出来るんだぜ?!」

「……そんなことをしなくとも、お互い助かる方法はあるさ」

「な、ん…?」

架々見がそう告げた瞬間、その手からじわりと真っ黒な闇が溢れ出した。

闇はゆっくりと蠢きながら、大男の首元へと纏わり付く。

「ひっ…!止せっ架々見、止めろぉっ!!」

「遠慮するなよ。最も安全で、追われる心配のない場所に送ってやる。この俺が直々にな」

「待てっ…!あの兄妹を取っ捕まえるためには、人手が要るだろうっ!?俺がまた頭数を揃えるからっ…」

「必要な手駒ならまた幾らでも用意出来る。お前の世話になる必要はない」

「なっ…!」

「安心しろ、今に仲間もお前の後を追う」

そう告げながら、架々見は蔑むような笑みを浮かべた。

じわじわと大男に纏わり付いていた闇が、その瞬間みしりと大男の首を締め付け始める。

「うっ…うぎゃあああああっ!!」

大男はじたばたと必死に足掻いていたが、徐々にその動きは緩慢になり、やがて動かなくなった。

「げ…はっ……」

「悪いな。俺も関与が疑われてるせいでな、下手に身動きが取れないんだよ」
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