『イロモノなアタシⅡ 小鬼更正計画』
必死の努力を終え、バスルームから出る。


「お待たせー」
「待たされたわよ」


メガネのおじさん、いや米山が……。


やっぱりそういう魂胆で呼んだのか、敬介を。


「米山さん、ありがとう敬介を呼んでくれて」
「あらぁ、いいのよぉーそんな気にしないでも」


テーブルの上には、すでに食べられた後のケーキがある。


殺意すら覚える、この行動。


だけど敬介を呼んでくれた恩があるからと、お茶を入れて出す。


「最近、忙しいんじゃない? 」
「おかげさまで」
「レギュラーも増えたしね、俺らよりも活躍してるなー」


のん気なコメント、敬介は本当に戦う気があるのだろうか。


「体壊さなきゃいいけどさ、心配で夜も眠れないわ」
「まあ、元気みたいよ」


証拠に、壁の向こうから妖しい声も聞こえてますしね。


最近、秀一郎はストレスが溜まっているのか、かなりお盛んだ。
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