『イロモノなアタシⅡ 小鬼更正計画』
ケンカ売らないでくれますかね、今、もう行かなくちゃいけないんですけど。


「止めや」
「せやな、こんなつまらんの相手にしてもしゃあないし」


荻野君もマネージャーが迎えに来たため、これ以上の事態には発展せずに済み、胸をなで下ろしつつ車を発進させた。


今日の仕事は、バラエティーの収録が1つに、ネタ番組が2つ、それから歌番組のゲストライブ。


きっと帰りは、テッペン(24時)を越えるだろう。


「向島はどないした? 」
「事務所で、年末までのスケジュール調整をしてます」
「あいつ、反省したんかいな? 」
「分かりません」


理由も、何もかも分からないと正直に伝えると、秀一郎の舌打ちが聞える。


「チッ」
「相方やろ、何でも話せるんは当然やと思うで。まあ、アンタらの間がどうなっとるんかは知らんけども」


逆に説教を食らってしまった、まあ、自分達は相当仲がいいけども、あたしと先輩は公私共にそんなに接近しているというワケではない。



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