『イロモノなアタシⅡ 小鬼更正計画』
「聞いてますよね、あの話」
「当然、だってヒロセの事だもん。でもさ、しょうがないと思うよ。マネージャーとして売り出すのは、絶対にしなきゃいけない仕事だし」
「でも……」
「迷ってんでしょ、正攻法じゃないからって」


そう、曲がった方法だと自分の中では思っている。


だれかれかまわず体を差し出して仕事を取るなんて、許せない。


「業界2年目のカベだね、辞めるんなら今のうちだよ」
「辞めませんっ! 」
「じゃあ、解決しなよ。噂は広まってる、でも、誰も面と向かって言えないんだから。それが出来るのは、アンタだけだよ」


バシっと背中を叩くと、まん丸の体をゆさぶりながら行ってしまう米山。


はげましてくれているんだろうか、彼女なりに。


「米山さん、ありがとうございます」


片手を上げてヒラヒラと振りながら返事をすると、自分の楽屋に消えて行った。

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