『イロモノなアタシⅡ 小鬼更正計画』
何なんだ、この優遇ぶりは。
ハギモトが全社を賭けてのプロジェクトだというのか、2年目の新人に。
それにしたって、と、腹を立てながら学校の前に到着すると、すでにファンの子が2人を待ち構えていた。
「今日も捨てられるかもー」
「ウチ、いっぺんでエエから叩かれたい」
「シビれるしー、そんなんされたら」
異常だ、こんなの。
いくら世間でSな男がもてはやされているからと言って、万里也ごときのガキんちょに叩かれて嬉しいなんて。
敬介が見たら何と言うだろう、普段からファンに気を使って、プレゼントだってちゃんと受け取るし、サインだってしているのに。
「来たー! 」
「万里也ー! 」
「秀一郎ーっ! 」
お上品な学校の前は、たちまち黄色い声で埋め尽くされる。
「やかましい! あっち行け」
「キャーっ! 」
「どけや、コラァ! 」
ヤクザなんですけど、これじゃ。
群がるファンを何とか整理しようと、一生懸命頑張っていると、秀一郎は先に車へ乗り込む。
万里也は、全身ボロボロにされながらもファンに向けて罵声を浴びせ続けた。
「邪魔すんなや! 車が出られへんやろ! 」
やっとの思いで発車し、ファンを振り切ると、制服の胸ポケットからタバコと携帯灰皿を取り出し、一服を始める。
「タバコは止めて下さい、東京進出するんですから、これまでのようには行かないんですよ! 」
ムダだとは思うけど、一応注意を与えた。
それに対して、何にも答えずに煙を吐き出す万里也。
ハギモトが全社を賭けてのプロジェクトだというのか、2年目の新人に。
それにしたって、と、腹を立てながら学校の前に到着すると、すでにファンの子が2人を待ち構えていた。
「今日も捨てられるかもー」
「ウチ、いっぺんでエエから叩かれたい」
「シビれるしー、そんなんされたら」
異常だ、こんなの。
いくら世間でSな男がもてはやされているからと言って、万里也ごときのガキんちょに叩かれて嬉しいなんて。
敬介が見たら何と言うだろう、普段からファンに気を使って、プレゼントだってちゃんと受け取るし、サインだってしているのに。
「来たー! 」
「万里也ー! 」
「秀一郎ーっ! 」
お上品な学校の前は、たちまち黄色い声で埋め尽くされる。
「やかましい! あっち行け」
「キャーっ! 」
「どけや、コラァ! 」
ヤクザなんですけど、これじゃ。
群がるファンを何とか整理しようと、一生懸命頑張っていると、秀一郎は先に車へ乗り込む。
万里也は、全身ボロボロにされながらもファンに向けて罵声を浴びせ続けた。
「邪魔すんなや! 車が出られへんやろ! 」
やっとの思いで発車し、ファンを振り切ると、制服の胸ポケットからタバコと携帯灰皿を取り出し、一服を始める。
「タバコは止めて下さい、東京進出するんですから、これまでのようには行かないんですよ! 」
ムダだとは思うけど、一応注意を与えた。
それに対して、何にも答えずに煙を吐き出す万里也。