『イロモノなアタシⅡ 小鬼更正計画』
「煙い」


秀一郎の言葉で、タバコを止めると、いきなり不機嫌そうにヘッドホンをはめる。


仲がいいのか悪いのか、まるで分からない2人。


まあ、家も近所だし両親もコンビ同士だから、幼なじみなんだろうけど。


興味を引こうと、部長から預かったCDを渡す。


「あの、出来たばかりのCDです」
「置いとき、そこへ」
「ん」


自分達の出すCDにすら興味を持たない、何でこんなにおかしいのこの子達は。


「今日は、阪神放送で収録です。番組名はジョインハギモトという深夜番組で……」


言いかけると、秀一郎は自分のノートPCを出して何かをし始める。


「大した事無いし」


大した事が無い、はぁーそうですか。


まーちゃ子は、このオーディション落ちたんですよ、一番のネタで勝負をかけたのに。


あームカつく。


ルームミラーで2人の顔を見ると、つまらなさそうにそれぞれの作業をしている。


万里也は音楽を聞きながらゲーム、秀一郎はPCで何かを打ち込んでいた。


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