『イロモノなアタシⅡ 小鬼更正計画』
現場に到着すると、共演者に挨拶もせず、楽屋にこもる。


更に、タバコ。


おまけに、女の子とのメールに電話。


これは全て万里也。


秀一郎は、ひたすら勉強だからいいが、これで2人とも手の付けられないヤンチャぶりなら、あたしは確実に会社を辞めて実家に再就職していただろう。


「喉渇いた」


参考書から顔を上げた秀一郎の言葉に、慌てておいひぃミルクを買いに行く。


後ろから聞こえて来たのは、


「早よせいやー、ホンマに気が利かん奴や」


という万里也の罵声。


辛すぎる、しかし、彼らのしつけをこなさなくては……。


東京進出したってこれじゃ、すぐにスキャンダルまみれになる。


特に未成年の喫煙は、通常謹慎どころか、クビになったっておかしくないのに。


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