『イロモノなアタシⅡ 小鬼更正計画』
そこに届いていたのは、クミさんからのメール。


『シホちゃん
 
 お久しぶりー
 たまにはお店に
 顔出してよーん』


東京に帰って来たのに、お店に顔を出してない。


蘭子さんやミミちゃんにも会いたいし、もちろんお父さんにも。


すぐに返信する。


『クミさん

 みんな元気?
 今日の夜行くねー』


悩んだ時は、一つパァーっとやりたいし。


敬介へのメールは、蘭子さんに相談してからでもいいだろう。


送信が終わり、楽屋に戻ると、2人が並んで話をしている。


「なーシュウー」
「何? 」
「今日は、どないする」


普通にして下さい、振付も振り付け師さん通りにやって、歌も口パクで結構ですから。


さっきのリハーサルみたいに、やる気ナシで構いません。


しかし、あたしの姿を無視し、何やら耳打ちを始める2人。


今日は何? まあ収録だから編集しちゃえばどうにでもなるけど。


「やっぱりするん? 」
「当然」
「でも、人前やし」
「かまへん」


人前、かまへん。


何、何をするの!
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