『イロモノなアタシⅡ 小鬼更正計画』
向島先輩、早く戻って来てー。


この小鬼2匹がまた何かをしでかそうとしているんです、あたしはもう耐えられそうにありません。


しかし、無情にもADさんが呼び出しに来る。


「もうすぐ本番でーす」


小鬼2匹が立ち上がり、スタジオへと向かって行く。


その背中に、真っ黒なコウモリの羽根が生えているように見えた。


こいつらのせいで、敬介ともケンカしたし、米山が毎晩部屋に訪れるし……。


スタジオに到着すると、向島先輩の姿を見つけて泣きついた。


「向島先輩、あの……」
「何? 楽屋で何かあった? 」


2人の会話を小声で報告すると、さすがの先輩も不安な表情を浮かべる。


「収録だからいいけど、でもなあ」
「かなり不安ですよね」
「まあ、もしもの時は、ストップさせよう」


マネージャー2人の心配をよそに、セット内に居る小鬼は自分達のヘッドセットを確認している。


「じゃ、本番入ります」
「よろしくお願いしまーす」


返事なんかしない彼らに代わり、あたし達が声を出す。


そして、悪夢は再び始まった。
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