lovable winp

そっか……先に拒絶したのは俺だったんだな。


「どうせおまえも居なくなる癖に……」


母親に置いて行かれた寂しさで八つ当たりした俺に、相菜はなんて言ったっけ?


「ずっと一緒に居るよ! だって……わたしは」


夢の中の幼い相菜が必死に俺に向かって何かを伝えようとした所で目が覚めてしまった。


ゆっくりと瞼を開いた先に、


「……なんで」


ブランケットを握った今の相菜が居て、思わず目を疑う。


もしかしてまだ夢の中に居るのかと錯覚しそうなのを、相菜の手首に巻かれた包帯が現実だと知らせていた。


ソファーから体を起こして座り直す俺を、床にしゃがんだままの相菜がじっと見つめてる。



「……俺に言いたいことがあるんだろ」


「…………」


問いかけに相菜は何も言わずに首をふるふると左右に振った。








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