恋箱。



とはいえ、学校なんて当たり前に2の次!!


はっきり言って、行ってられる訳ないし!!!




コンビニとテレアポの仕事を掛け持ちしてとにかく毎日働いた。




まずは一人暮らしをするんだっ。




家さえ出てしまえばケンが迎えに来てくれたトキにすぐに一緒に暮らせる。

とにかく親の手の届かないところに行きたかった。


葵の親は……ケンとの今後に関しては何にも言わなかったけど、一人暮らしは反対した。


まだ16歳のアタシが一人で家を出るなんてありえない、と。



温厚な父親がアタシを殴るほどに……。





でも結局は売り言葉に買い言葉。



「そんなにしたかったら親に1銭も頼らずやりなさいっ!」


そう言った父親に



「絶対そうする。だから出てくから!!」



そう言った。



このトキのアタシの気持ちは親でも見抜けなかったね。




「あそこまで言えば諦めると思った。」



あとからそう聞いたけど、アタシは何も見えずただただ早く自立する事に必死だったんだ。





全てが大好きな人の為だった。




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