Bitter Sweet
ホントに、また、巡り会うことになるなんて思ってもみなかった。


昂くんに視線を向けると、彼はステージを見ながら穏やかに微笑んで聴き入っていた。


私は胸に込み上げてきた、懐かしさとか、愛しさとか…色んな感情がごちゃ混ぜになって、
今にも泣きそうなのをぐっと下唇を噛んで堪えていた。


ーダメだ、泣いちゃ。

私が泣いてどうするのよ。

本当は、この場から離れて、思いっきり泣いてしまいたい。

でも今はダメだ、そんな想いが。
自然と、昂くんと繋いでいた私の手に力を加えさせた。

ギュッと握られた手を彼は見つめて、
私の気持ちをどう察したのか。

空いている方の手でヨシヨシ、と頭を撫でてくる。


胸の奥が、キュンとしながらツキツキと痛んだ。



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