Bitter Sweet
数秒、私と高梨は視線を絡め合わせた後、高梨はイタズラっ子みたいな笑みを浮かべて言った。

「足んない。」

何が?、と聞くより先に、再び高梨の深い口づけが落ちてくる。


後頭部を手で支えられ、腰にも手を回され。

私は高梨の首に腕を回した。

それでも、激しいキスが身体の奥に熱を集めて、腰の力が抜けていき、立ってるのもやっとだ。


ーそうだね、足りない。

私ももっともっと、高梨を感じたい。


唇が離れた瞬間にじっと高梨を見つめると、

奴は微笑を口元にたたえたまま、私をヒョイっと荷物のように担ぎ上げた。

「ちょ、ちょっと待って!ブーツ履きっぱだよ!」

来たまんまの私を抱きあげた高梨は、そんなのもお構いなしにズンズン部屋の奥へと進んでいく。


「いーよ。こっちで脱がすから。」

リビングの明かりが漏れる寝室まで来ると、
ポスン、とベッドに優しく降ろされて、ブーツを脱がしてくれる。

人に靴を脱がしてもらうのってあんまり無くて、妙にドキドキする。

その流れのままコートも脱がされて、高梨は私の上に覆いかぶさってきた。
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