彼は姫の飼育係?


「姫、VIPSが迎えにきたよ」

VIPS…………?って、え?

人混みは集団がくると、あたしの近くから遠退いていく。

男3人と女2人の美男美女の集団に思わず目を見開くあたしに、可愛い笑顔を見せてくる、あたしの身長より少し高めの男の人。


「おい、大悟行くぞ」
「りゅ、龍ちゃん?」
「………大悟、龍之介の機嫌を悪くする前に姫をつれてきなよ」


VIPSという名の集団は、前髪をあげ、ポケットに手をつっこむ男の一言で、きた道をまた歩きだした。


「姫!とにかく話はVIPSルームでするから!」
「え…………、あ、え?」
「皆においてかれちゃう!!!!」


ガシッと腕を強引に捕まれ、引っ張られたあたしは、訳もわからず集団について行った。

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