魅惑のキスネコ!【完】

「お兄ちゃんッ!!!」

サヤカちゃんが
必死にジンにしがみ付いている。
ジンは肩で大きく息をしていた。

「てめぇ・・。」

握られたこぶしはブルブルと振るえ
その鋭い瞳はあたしを素通りしている。
さらに殴りかかりそうなジン。


「ジン!待って!!
これはッッ!!」

悲鳴に近い声を出す。

あたしはとっさに前に出ると
ポパイを背後にし
両手を広げて庇った。


ジンは驚いたような悲しいような
そんな瞳であたしに視線をうつす。

「カナッ・・・。
なんで庇うんだよ」

ジンがはぁはぁと息をつきながら
あたしに言う。


「だっ・・・だって・・。」


どうしよう。
どうやって説明しよう。

ていうかポパイ!!
なんで!?なんなの!?

今日これがやりたかったの!?
みんなの前で。

あたしにも
意味が分からないッ・・!!
もっとちゃんとした
タイミングがあるじゃない!



庇ったまま何も言わないあたしを
ジンは見つめ続けた。

あたしも、ジンを見つめる。


言葉が見つからない。
言い訳なんて出来ない。

こうなったらもう
腹をくくるしかないんだ。


言わなきゃ。
見せなきゃ。

ポパイの、本当の姿を。
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