魅惑のキスネコ!【完】
どのくらい時間が経っただろう。
行きかう人たちが
ジロジロとこっちをみては通り過ぎて行った。
チャリッ・・・
目の前の車の鍵を誰かが拾う。
「カナ・・・」
見上げると
「ぽぱ・・」
「ポパイじゃない。
俺はシュンだ。」
「っ・・」
目からまた涙がこぼれた。
ポパイじゃない?
本当に、ポパイじゃなかったの?
ショックで
わけがわからなくて
また涙がとめどなく溢れた。
その場から立ち上がれないで居るあたしを
シュンはそっと抱き上げる。
その腕の形も、匂いも、
揺れる髪も。
ポパイじゃなかったの・・・?
じゃぁあたし、一体誰と・・。
ジンにあたし、とんでもない裏切り行為を・・。
頭がガンガンして
全然考えがまとまらない。
シュンはあたしを抱えたまま
駐車場に連れて行き
車を探し当てた。
あたしを助手席に座らせると
自分が運転席に座る。
そして慣れた手つきで
車のエンジンを掛けた。
ゆっくりと動き出す車の中で
あたしはただただ呆然と
運転をする彼の姿を見つめていた。