魅惑のキスネコ!【完】
「わぁー、素敵なリビング」
初めて新居に来たサヤカちゃんは
リビングを見渡しながら言った。
その脇を通り抜けて
ポパイはいつもの低位置のソファに即効で座る。
ジンは一瞬驚きながらも
サヤカちゃんをソファに促した。
サヤカちゃんは間隔をあけつつも
ポパイの隣に座る。
とてもじゃないけど見ていられないっ・・;
あたしは逃げるようにキッチンへ行き
お菓子の袋を引きちぎる。
バラバラとポテトチップを盛り付けながら
頭の中は対策会議の真っ最中だ。
「ジュースあったよね?」
ジンがキッチンに顔を出す。
「あ、うん、グレープフルーツのなら。」
あたしがそう言うと
ジンは勝手にジュースを出す準備をしてくれる。
「・・・」
「・・・」
一瞬の無言。
気まずい。