魅惑のキスネコ!【完】
やっぱこの際、遠い親戚だとか言うほうが一番自然だよね。
週末だから電車乗り継いできました、みたいな。
でもそれってポパイとの口裏あわせしてこそ、じゃない?
口裏あわせする時間どころか
二人きりになるチャンスさえない。
そしてこの非協力的態度。
あたしに一体どうしろというのさ!?
「ね、ポパイさん」
可愛い声がポパイを”ポパイ”と呼んだ。
「!?」
あたしはびっくりして振り向くと
サヤカちゃんがポパイに話しかけている様子だった。
「え、ポパイ?」
ジンが驚いた表情でポパイをみている。
「ん、あ、ゴメン、聞いてなかった。」
ポパイは慌てる素振りもみせずに
サヤカちゃんに向き直る。
「あ、ゴメンなさい。
ポパイさんとさっき外で会った時の話しを
お兄ちゃんとしてたの」
サヤカちゃんはにっこり笑うと続ける
「玄関の前でポパイさんが立ってたから
私から話しかけたのよね?」