永遠(とわ)に果てぬ愛



人見知りをするような子ではないけど、その呼び方には驚いた。



「何で、怜央兄なの?」



兄ってところが引っかかったので聞いてみると、拓海は平然と返す。



「だって姉さん、怜央兄と婚約したんでしょ?じゃあ、未来の兄さんでしょ」


「は!?どうしてその話しを……!」



拓海には、婚約の話しはしていなかった。

どう話していいか分からなかったし、何より偽りだったから言う必要はないと思った。



「どうしてって、怜央兄が教えてくれたんだよ」



何で、そんなことを拓海に教えたのだろう。

“絶対おとす”と言った言葉が本気で、周りから固めていく気だろうか。


イヤ、そんなはずはない。

絶対、気まぐれだから。




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