繋がる空の下、繋がらない電話

「我儘言ってごめんなさいってこと。会いたいって言ってから、……隼也メールくれなくなったじゃん」

『そんなことねーよ。メールは来たら必ず返してたはずだけど』

「書かなきゃくれなかったじゃん。電話も繋がらないし」

『それはホントごめん。今本気で忙しいんだ。今もまだ会社で、休憩時間使って電話してるけど、また戻らなきゃいけないし』


時計は今二十三時。
ここからまだ戻って仕事するの?
どれだけ忙しいのよ。


「倒れちゃうよ、隼也」

『大丈夫だよ。会いたいって言われたのもワガママだなんて思ってない。でも期待には応えられなかったし、嫌われたのかなって思ってた』

「私キライなんて言ってない」

『だってメールもくれなくなったじゃん』

「それは……」


甘えてただけだよ。
隼也に心配して欲しいってっそれだけ。

そうやって思い返してみると、私って、“して欲しい”ばっかりだ。


『忙しくて放っておいたからさ。嫌われたかと思った』

「それはこっちのセリフよ。私こそ、もう忘れられたのかと思った」

『確かに、忙しくてちょっと忘れかけてたけど』


なにをー!
ヒドイ、隼也。
どうしてそんなに正直者なのよ。


『でも、仕事終わると思い出すのは恵利なんだよな』


続けられた言葉は、私の怒りを溶かしていく。


『忙しい間はさ、悪いけどホントに忘れてることもあるんだ。……でも、落ち着くと恵利に会いたくなる。今年も一緒にクリスマスツリー見てーなーとか』


怒りは氷で出来ていたのか、溶けてきたら涙になった。


「う、うええええん」

『うわ、なんで泣く』

「知らない、自分で考えて」


そう言ったら、しばらく考えこんだような沈黙。
その後、ちょっと真剣な声が降ってきた。


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