Place of the fate〜運命の場所〜
しかし、女子校に通い始めて2年とちょっとのあたしが、男の人なんかと気安く話せる訳もなく。
「あ、おい。待てよ」
スタスタと歩き去ろうとするあたしの腕を聖さんは掴んだ。
「・・・・・なんですか、“聖さん”」
「あれ、俺の名前知ってんの?」
少しだけ驚いた表情をする聖さんに、
「そりゃあ、クラスの女子が騒いでますからね」
と言うと、
「なんだ、それでね」
と、苦笑いした。
「気になってるから俺の名前知ってるってわけじゃないんだ」
「なんでそういう考えになるんですか。自意識過剰ですか」
ジトっとした目つきでそういえば、
「だって俺、ここの生徒に結構人気じゃん?」
と言った。