龍神様との恋愛事情!

この言葉に私は嬉しくなって、つい声を上げてしまった。


「会えるって!お母さん達が塒山神社に来てくれれば会えるって!」


私の弾んだ声を聞きながら微笑む千早様は、さらにこう続けた。


「塒池に手を浸すといいよ。そうすれば気配が感じ取れるから、私が沙織を連れて行こう」


私が千早様の言葉を代弁すると、お母さん達は納得してくれた。


「成る程ね。塒山の池か。わかったわ。あら?おばあちゃん?」


お母さんの隣に座ってたおばあちゃんがゆっくりと立ち上がった。

そのままドアの方に向かっていく。


「おばあちゃん!どこ行くの~?お父さん、ちょっと行ってきてっ」


お母さんの命令でお父さんも立ち上がる。

おばあちゃんの症状の一つだ。

一カ所に留まっていられない。

特に知らない人がいたりすると、ソワソワしだして逃げるように出て行っちゃう。


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