龍神様との恋愛事情!
「少し前は白龍がいたんだけど、色々と事情があってね。今は私が代理をしているんだ」
この人は龍神で、ここの神社の神様の代理神。
本当かどうか、まだ納得してないけど…。
「なら…神様なら、私のおばあちゃんが今どこにいるか、わかりますか?」
「ん?君のおばあさん?迷子にでもなったのかい?」
「おばあちゃん、認知症で…。一人でお散歩に行っちゃったから、探してあげないと家に帰って来れないかもしれなくて…」
「で、どこに行ったかわからず駆け回っていたと」
私は静かに頷いた。
見つけてくれるかな…?
もし、この人がおばあちゃんを見つけられたら、神様だって信じられるのに。
私はちらりと彼を見た。
悩んでるように顎に手をやっている。
やっぱり……無理、かな…。
私が諦めて願いを取下げようと口を開いた時だった。
「いいよ。その願い、私が叶えてあげる」
凛とした声で彼が言った。