龍神様との恋愛事情!

「じゃあ、私のことは?」

続いて私が聞いてみた。

すると…。


「沙織ちゃん」


ちゃんと答えてくれた。


……何年ぶりだろう?

おばあちゃんが、私のことを真っ直ぐ見て、自分から名前を…呼んでくれたのは…。


三年ぶりくらいかもしれない。

三年なんて短い方だけど、でも…その呼ばれなかった三年間は、私達家族にとってはとても長かった。

本当に……長かったよ。


「なんだか、頭がすっきりして…とても気分がいいわぁ」


「認知症が治ったからよ。おばあちゃん、認知症が治ったのよ!」


お母さんが感極まっておばあちゃんに抱き着いた。

泣いてるのかな。

少し声が震えてる。


私も、泣きたい。

嬉しくて、思いっきり泣いてしまいたい。


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